アニメ調3Dモデルのアイラインデザインについて

人体モデル作成
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目やアイラインはモデルの印象を決定づける重要なパーツであると同時に、なかなか理想通りの見た目になってくれない難しいパーツでもあります。今回は、作りたいキャラクターのイメージ通りに作るコツと、モデルの完成度を上げるために抑えておきたいポイントを解説していきます。

モデル作成を簡単にするためにおさえておきたいポイント

まずは、アイラインを編集しやすくするためにどのような点に気をつけたいか解説していきます。アイラインの作り方に正解は無いので自由に作ってもいいのですが、より簡単に綺麗なラインを作るにはいくつかのテクニックがあります。

①頂点数は増やしすぎない

アイラインは、頂点数が多すぎると、その後シェイプキー(MMDでいうモーフ)を作成する時の作業が大変になってしまいます。ですので、アイラインを形成する頂点はなるべく少なく作成するのがおすすめです。

上の画像は、少ない頂点数にサブディビジョンサーフェスをかけています。このくらいの頂点数でも、目の周りを自然に囲むことが可能です。

アイラインは、「まばたき」や「ウィンク」「微笑み」などの表情を作るために、頂点をこのように移動させて位置情報を登録する作業があります。この時に頂点数が多すぎると、作業時間が長くなったり、綺麗なラインを作るのが難しかったりします。モデル作成初心者の方は、まず完成までたどり着くためにアイラインはシンプルに作るのがおすすめです。

②まつ毛は別オブジェクトで作成する

目の周りのパーツはアイラインの他にまつ毛や二重幅もあります。これを別のオブジェクトか、あるいは同じオブジェクトでも完全に分離したメッシュで作成すると、モーフ作成の時に作業がしやすくなります。MMDで動かすモデルの場合、板ポリ(裏面がむき出しになってしまうポリゴン)でも、両面描写させる設定があるので、下の画像のような頂点5つだけのシンプルなまつ毛でも大丈夫です。

正面からのビューで押さえておきたいポイント

続いては、正面からの視点で調整できるポイントについて紹介します。

①細い部分と太い部分のメリハリをつける

アイラインは、一定の太さで引くよりも太い部分と細い部分のメリハリがきいている方がはっきりとした目元になります。特に、目尻の部分を一番太く強調するようにすると、はつらつとした目元に仕上がるので、若い女性モデルを作る時はこのラインを意識するといいでしょう。

②目尻から下まぶたに引くラインは目の幅の約1/3

目尻から下まぶたにかけてのアイラインは、あまり長すぎるとくどい印象を与えてしまいます。現実のメイクにも同じことが言えますが、目尻から下まぶたに向かって引くアイラインは目の幅の約1/3以下の長さが目安です。

③下のラインは黒目と同じ幅

黒目の下のアイラインを入れる場合は、黒目の幅と同じくらいにすると自然です。ぐるっとアイラインで囲むのもいいですが、アニメ調で可愛いイメージのキャラクターを作成する場合は下まぶたの目頭部分と下まぶたの真ん中~目尻の一部にアイラインが途切れた「抜け」の部分を作ると、ぱっちりキラキラした目が出来上がります。

また、目尻のアイラインと下まぶた中央のアイラインは、上の画像のように途切れている部分にもつながりが見えるように角度調整するとデザインが崩れにくくなります。

角度を変えて確認しておきたいポイント

正面からのアイラインの形が調整できたら、さまざまな角度から見て不具合が無いかチェックします。正面からの形を崩さないために、調整のための頂点の移動はG→Yキーで軸を固定して行います。

①目の縁が綺麗に隠せているか

アイラインは、肌の部分と白目の部分の境目を隠すように配置する必要があります。下の画像のように、アイラインの内側に肌色が見えるような部分があったら、頂点を奥に押し込んで肌色を隠します。

②アイラインが肌から浮きすぎていないか

肌と白目の境目を隠すのも大切ですが、アイラインの外側の縁も頂点の位置調整が必要になります。頂点をループ選択してSキーで拡大した場合、頂点がまぶたのカーブに沿っていない場合があるので、アイラインの外側の頂点をひとつずつ選択し、G→Yキーでまぶたに密着するように位置を調整しましょう。

この部分は、横から見た時に違和感が無い程度で大丈夫です。

イメージ通りの目に近づけるコツ

目つきからはキャラクターの性格も推測されます。ですので、オリジナルキャラクターを作る場合はキャラクターの性格に合わせた目つきを作りたいですよね。続いては、キャラクターに個性を出すために使えるテクニックを少し紹介します。

①跳ね上げラインは辺の押し出しと頂点のマージで作成

現実のメイクでも、アニメキャラクターでも、よく見かけるのがアイラインの跳ね上げです。跳ね上げラインは、ばっちりメイクをしたような目になったり、角度によってたれ目や猫目といった印象付けもできます。しかし、サブディビジョンサーフェスを使っている場合は鋭角の形は作りにくそうに見えます。

サブディビジョンサーフェスを使ったまま跳ね上げラインを作りたい場合は、目尻の頂点を2点選択し、Eキーで頂点を押し出して新しい面を作成します。頂点の複数選択は、Siftキーを押しながら左クリックでできます。

押し出した頂点は、Alt+Mキーで中心にマージ(結合)させます。そうすると、三角メッシュが出来上がり、鋭角のラインが完成します。

そのままではラインの角度が大きすぎるので、はじめに頂点を押し出すために選択した2か所の頂点をもう一度選択し、Sキーで幅を狭くします。この幅と、マージした頂点の3か所を移動させて理想の跳ね上げラインを作っていきます。

跳ね上げラインが完成したら、視点を変えて頂点をG→Yで奥に移動させてまぶたとアイラインの隙間をなるべくなくします。

②ラインだけでなく黒目の大きさや位置によっても印象が変わる

ここまでアイラインの作り方を紹介してきましたが、目元の印象を決めるのはアイラインだけではありません。黒目の大きさや位置によっても大きく印象が変わります。下の画像は、アイラインとハイライトは全て同じ形ですが、黒目の位置や形が違います。

①は黒目がまん丸で、白目の余白が非常に少ないです。この目元は「幼い」「可愛い」「溌剌とした」といった印象が与えられます。

②は黒目と白目が標準的な比率です。10代後半~大人までさまざまな年齢層で使える目元で、目つきには大きく印象を左右する材料がありません。黒目の下部分が露出していますが、ギリギリ露出しないくらいの大きさでも自然な印象を与えます。

③は、黒目の下部分が大きく露出している三白眼です。「クール」「警戒心が強い」「気だるげ」といった印象を与える目元です。さらに黒目をやや小さめにすることで、悪役っぽいキャラクターが出来上がります。

④は、黒目が細くなった猫目です。現実にこのような目をしている人はいません。ですので、「神秘的」「妖艶」といった印象が与えられます。黒目と白目のバランスは美人の法則に反していますが、顔全体の黄金比を守ることで美人な見た目に仕上げることが可能です。

目元はキャラクターの性格を印象づけるパーツ

アイラインは、いくつかのポイントを抑えることでデザインが崩れにくく、作りやすくなります。また、アイラインの形は標準的でも、黒目の大きさや位置、形によってはキャラクターの印象を大きく変えることもできます。オリジナルキャラクターを作成している方は、そのキャラクターの年齢や性格、与えたい印象等の情報を整理して、イメージ通りの目元を作ってみてください。

コメント

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